山道に咲く春の山野草

天気の良いのに誘われて、5月4日は裏山を散歩してきました。この連休は天気が悪く寒かったのに、道の脇には色々な花が咲いていて目を楽しませてくれました。普通なら1時間の散策コースなのですが、写真を撮っていたら2時間かかってしまいました。この山道の散策コースは標高900~1000mになります。

下の写真… 早速小さな黄色の花が目に入って来ました。ヤブヘビイチゴです。これはヤブヘビーイチゴではなく、ヤブーヘビイチゴです。つまりヘビイチゴでも少し薄暗いヤブの中に咲いている種類という事です。ヘビイチゴと同じように粒々のあるイチゴのような小さい実が上を向いて生ります。

下の写真… 小さな可愛い綺麗な紫の花ですが、スミレではありません。ムラサキサギゴケといいます。勿論花が咲きますから苔ではありません。地面にへばりついているから苔と間違えたのでしょう。それだから詐欺苔と言う訳ではありません。花が鳥のサギ(鷺)に似ているからです。この花は柄が伸びて行って、株を次々に作って増えていきます。山道の日当たりの良い所に咲いています。道全面の群落で踏まないよう歩くのに苦労します。

下の写真… 花は下を向いて申し訳なさそうに咲いています。オオチゴユリです。チゴユリの仲間で大型です。

下の写真… これは山に行くとよく目にするヤマツツジです。暖かさが続けば明日にも花開くでしょう。赤い色は独特の渋みのある赤で派手さはありませんが、暗い林の中でそこだけ木漏れ日を浴びて赤い花開く様は、神々しささえ感じられます。

下の写真… 薄暗い湿り気のある場所では、シダ植物のオシダが勢いよく伸びています。これがワラビの様に食べられれば、取り応え、食べ応えがあるのですが、残念ですね。

下の写真… そのオシダを真上から見た所です。綺麗な放射状に葉が伸びて意外と美しい姿です。

下の写真… 山道の更に脇道に入ります。その先は大展望が待っています。この場所はほとんどの人は知りません。南アルプスの大展望です。読者の皆さんには山の名は分かると思いますが、もう一度書いておきます。左の三角山は甲斐駒ケ岳2967m、真ん中の大きな山体は仙丈ケ岳3033m、その右は間ノ岳3190m、そして右端に僅かに見える山は農鳥岳3051mです。

下の写真… 上の写真の更に右です。真ん中に塩見岳3047mがあります。南アルプスは北端や南端は3000m級の山が集まっていますが、真ん中付近はこの塩見岳しかありません。途中は2000m級の特徴の少ない山だけですので、麓から登る道は有りません。従って有人の山小屋もなくこの縦走路に足を踏み入れる人は極僅かの限られた人だけです。

下の写真… 更に右側です。左の白い山は悪沢岳3141m、その右は荒川岳3084m、その右の画面中央は赤石岳3121m、そして画面右半分の中央の山は聖岳3013mです。この場所は北岳3193mだけを除いて南アルプスの3000m以上の山総てが見える静かな場所です。

下の写真… アレ? 紫でない小さなスミレが咲いていました。ここら辺ではあまり目にした事が無い様に思います。フモトスミレです。字のごとく山の麓で見られるスミレだという事です。マー、ここは麓ではありませんが。アー?、でも中央アルプスのてっぺんから見ると麓になりますね。

下の写真… 谷川沿いの日当たりの良い場所で若葉が出て来ました。こういう若葉を見ると清々しさを感じます。ただ、この木の種類は分かりません。

下の写真… 日当たりが良い所はチョウもいます。これはキタキチョウのオスです。普通はせわしなく飛んでいますが、少し色の薄いメスを見つけると空高くまで追いかけまわし、程無くして地上に戻って来ます。

下の写真… これは何でしょう? 春のキノコのシャグマアミガサタケです。毒キノコですが毒抜きの方法があり、フィンランドではこのキノコを売っている店もあるそうです。ただ毒抜き時に毒が蒸発してその蒸気を吸うと危ないそうです。美味しそうには見えず、あえて危険を冒して食べるキノコではありません。

同じ時期にアミガサタケと言うキノコもあります。これは欧米では高級食材として知られています。昔は私の家の庭にも少し生えてきて、バター炒めで頂いたこともあります。味は美味いというほどのものではありませんでした。馴染みのないキノコを食べるのは勇気が要ります。あまりお勧めする事ではありません。

下の写真… ヒメジョオンの花にテングチョウらしきチョウが止まっていました。近づいても逃げずゆっくりと写真が撮れました。でも良く見ると翅の形がやや違います。良く調べてみると蛾であることが分かりました。普通翅を閉じて止まるのはチョウ、開いて止まるのは蛾と言われていますが、例外もたくさんありこの蛾も例外なのでした。この蛾はイカリモンガといいます。蝶と間違えて「怒り者が」ではありません。研究や観察、写真に蛾の世界も面白いかもしれません。

下の写真… 最後は登山する人にはお馴染みのニリンソウです。以前のブログ、撤退の蝶ヶ岳登山で載せたような大群落は此処にはありません。山の何箇所かに小群落があるだけです。

2021年5月7日 記  カメラ SONY  RX10Ⅳ

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タイに仕事で10数年滞在していました。日曜日はゴルフをしていましたが、ある時花の綺麗さとカラフルな鳥の美しさに気付いてしまいました。  それからはカメラをバッグに入れてゴルフです。あるゴルフ場では「写真撮りの日本人」で有名になってしまいました。(あ、ゴルフ場には迷惑をかけておりません。)それらの写真をメインに日本での写真も織り交ぜて見ていただければ幸いです。 また、異郷の地で日本を思いつつ自作した歌を風景の動画とともにご紹介していきたいと思っています。