さあ、今日はスリルに興奮した30分をお見せしましょう。当時は30分の飛行で100ドルでした。運航は[AVIA CLUB NEPAL]がやっています。
天候少しでも悪いと中止です。私たちも2日間待たされました。毎日山は雲の中。3日目の朝、薄霧の中マチャプチャレ(6993m)が見えるではありませんか。「やったー!」と大喜びです。そしてやっと乗れるのですがその前に、この飛行で事故って死んでも文句ありませんという書類にサインを書かされました。
その時初めて事の重大さを感じましたが後の祭りです。当時は事故は起きていなかったのですが、去年トレッキングに行ったとき、ネパール人のガイドから、2~3年前2度墜落があり、どちらの飛行機もいまだ見つかっていないという話を聞きました。
下の写真が私が乗ったグライダーです。パイロット1人に乗客1人です。普通はパイロット前、乗客後ろですが、このグライダーだけパイロットの横に座ります。これが後程、恐ろしいことになるのですが。
翼から運転席に大きな三角形の鉄棒が分かるでしょうか。パイロットの手がそのバーを掴んでいるのが見えます。これを押すと上昇、引くと下降、捻ると方向転換になります。
下の写真はポカラ空港の滑走路で走り始める時です。滑走路はこの1本だけで、普段は最大30人乗りのプロペラ機が発着しています。左に見えるのはポカラ空港の建物です。走り始めると道をバイクで走っていくような感覚です。そのうち急角度で上昇に入ります。
急上昇開始です。恐怖も急上昇!真下まで見えます。宙に浮いている感覚です。下には昨日写真を載せた切り込まれた川の下流が見えます。
いよいよヒマラヤの山々(アンナプルナ山群)が見えてきました。左の端の白い山はアンナプルナ サウス(7219m)、その右の中央部にかけて平らに見える山はアンナプルナ Ⅰ峰(世界第10位、8091m)、その右の黒っぽく尖った山はマチャプチャレ(未踏峰、6993m)、一番右の山、アンナプルナ Ⅲ峰(7555m)で去年10月20日に亡くなった田部井淳子さんが1969年海外で初めて登頂した山です。
下の写真はお気に入りの1枚です。雰囲気を味わってください。
夢中で写真を撮っている時に大変な事が起こりました。パイロットが私に操縦してみろと言うのです。最初に説明したようにバーを押せば上がる、引けば下がると1~2分説明してくれました。大変な事になったと思いながらバーを両手で握ってとりあえずはじっとして水平飛行です。
それでもと思ってバーをほんの少し押してみたのですが、どのくらい押せばどのくらい上がるか分からないためやめました。引いて下降は恐ろしくて出来ませんでした。2分くらいバーにしがみついていたと思います。パイロットに操縦を戻した時にはホントにホッとしました。下の写真は操縦席です。
無事降りてきて受付のお嬢さんたちと格納庫の様子を写真に撮りました。なおパイロットは、ソビエトが崩壊したとき空軍から抜け出したパイロットがやっているとの事でした。
2017年1月24日 記 カメラ CANON IXY 600
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