ヒマラヤ ゴーキョトレッキング8-2

ヒマラヤ ゴーキョトレッキング8-1 の続きです。

5000m級の峰々から下る雄大な山腹を横切って、一本の道がずうっと奥まで続いています。空には綿雲がぽかりぽかりと浮いてのどかな風景です。けれどもいくら歩いても進んでいるようには見えません。景色があまり変わらないのです。例えれば学校の校庭の真中でアリさんが歩いているようなものです。アリさんから見ればいくら歩いても校舎は横に同じように聳えています。ヒマラヤがでかいのか人間が小さいのかよく分かりません。

下の写真…進行方向(北)の右手(東)の山々です。画面左の山は初めて現れたアラカンツェ6423mです。そのすぐ右の山はチョラツェ6335mですが、尾根が邪魔していて頂上は見えません。タウツェ6495mは完全に隠れて見えません。谷の向こうの斜面にも道が一本走っているのが見えるでしょうか。あちらの道を利用するトレッカーはかなり少ないようです。当然ロッジも少ないです。

下の写真…マッチェルモ4470m手前のローザ4360mに到着です。といってもここには画面下のロッジが一軒あるだけです。トレッカーの皆さん、変化のない道に疲れたのか休んでお茶を飲んでいます。我々もちょっと休憩です。その時ガイドさんが意味不明の事を言いました。「中には入らないでください。」エ?何で? すると「中に入ると気分が悪くなります。」エ?絵?E?ナンデ? 「中ではヤクの糞でストーブを焚いています。その匂いが充満していて高所では吐き気を催すことがあります。今の高度や空気に外で体を馴らしてから入った方がいいです。」ということでした。それは知らなかったなー。でも休憩時間は短かったので中に入らず出発しました。

下の写真…ローザから見た風景です。一番左の山アラカンツェ6423mが近くなってきました。一つ飛んで前の写真と比べてみてください。一見ほとんど同じに見えます。タムセルクやカンテガのように前の山がなくて、そのまま目の前に聳えていれば見ごたえがあって飽きませんが、マーしょうがないですね。

下の写真…これもローザから見た風景です。後方に聳えるのは右タムセルク6618m、左カンテガ6783mです。こちらはだいぶ遠ざかってきたのが分かります。直線距離で12~13㎞くらい離れています。方角は南南東です。

下の写真…マッチェルモ手前から見た進行方向右手の写真です。これも一つ手前の写真と比べると少し進んできたのがわかります。

下の写真…これがマッチェルモ4470mの全景です。河岸段丘の上にロッジが8~9軒あります。川端に近いところにオレンジ色のテントのロッジもありますが分かるでしょうか?

下の写真…谷のアップの写真です。山は雲に隠れて全貌が見えません。この谷もU字形をしていますので、小氷河で形成されたものと思われます。

下の写真…このU字谷を流れている川の橋の上から撮った写真です。

下の写真…望遠で撮りましたアラカンツェ6423mの雄姿です。前の黒い三角山と雪のアラカンツェ。それぞれが全く違う山ですが、お互いを引き立てる良い関係になっています。人間関係もそうありたいものですね。

ところで、アラカンといえば皆様何を思われますか。わたしはこの山の名前を知った瞬間に、昔の時代劇スターの嵐寛寿郎(通称アラカン)を思い浮かべました。ヒマラヤに来て思いもかけずチャンバラの大スターの名前と遭遇したのです。代表映画は「鞍馬天狗」です。この写真の姿はまさに「ヒマラヤ天狗」といった風情です。すると三角山は杉作になるのかな?

この後、ガイドさんが予約していたロッジに行ったのですが、断られてしまいました。理由は他の団体さんの予約が入ったからとの事でした。マー、商売的には気持ちは分かりますが、こちらは困ってしまいます。一番奥のロッジに行けば空いているかもと言われ、行った所何とかなりました。ホントならだめの所でしたが、たまたま予約していたお客さんが急に来れなくなったとの事で部屋が空いたからいいよとの事でした。

本当に007の「危機一発」でした。この四字熟語は正確には危機一髪と書き、発ではなく髪なのですがストーリー上、銃の弾丸を意味して一発にしたそうです。この映画の原題は「ロシアより愛をこめて」で、007シリーズ上最も素晴らしい作品の一つです。……アーまた本題を逸れていく……このくらいにしときましょう。

2018年1月14日 記  カメラ SONY  RX10Ⅲ

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タイに仕事で10数年滞在していました。日曜日はゴルフをしていましたが、ある時花の綺麗さとカラフルな鳥の美しさに気付いてしまいました。  それからはカメラをバッグに入れてゴルフです。あるゴルフ場では「写真撮りの日本人」で有名になってしまいました。(あ、ゴルフ場には迷惑をかけておりません。)それらの写真をメインに日本での写真も織り交ぜて見ていただければ幸いです。 また、異郷の地で日本を思いつつ自作した歌を風景の動画とともにご紹介していきたいと思っています。