タイのアートな空(雲)

見上げるとタイの空はにぎやかです。色々な雲が出て想像力を掻き立てられます。

下の写真ー 童話の場面の空のような気がします。低い高さでポカリ、ポカリと浮いた雲がのどかな風景を演じています。高さは100m位のものでしょうか。この雲を見るたびに「ノンちゃん雲に乗る」という童話の題名が頭に浮かんでいました。この写真では高さの違いで三層の雲が見られます。

下の写真ー これは朝焼けの雲です。意外と雲の表面がボコボコしていて、赤い部分と影の黒い部分があって面白かったです。ただこの雲が目に入って、車を止めてカメラを準備する間にそのボコボコが少なくなってきてしまいました。だから実際はこの写真よりもっとボコボコしていました。次の機会があったらと心がけていたのですが、再度この様な雲は現れてくれませんでした。

下の写真ー 私はこの空を見た時に、大きな白鳥が飛んでいる様に見えました。胴体は真ん中の真直ぐな雲で、右の方が頭に見えるのかな。

下の写真ー 朝焼けの雲です。皆さんはどのように見えますか。始めは鳳凰かなと思ったのですが、よく見ると怪獣が飛んでいるようです。キングギドラだと頭は3つになって違うしな。ゴジラに翼が生えて飛んでいるという方が当たりのような気がします。右に向かって飛んでいますが、ゴジラの目もちゃんと見えてますね。でも、一寸難しいかな。

下の写真ー これこそが正に鳳凰といえる雲です。しかも2羽飛んでいるようにも見えます。これが夕日に金色に染まっていれば最高の火の鳥になってたかもしれません。

下の写真ー これは彩雲という現象です。色が出るのは虹と同じで、空気中の水粒で太陽光が分光して発色します。ただ違う点は虹は太陽の後ろに、彩雲は太陽の方向へ出ます。タイではこの写真のように積乱雲の上によく出ます。またタイの雨期では積乱雲の発生は毎日ですので、この彩雲を見る機会は少なくありません。でも、このように大きな彩雲は稀です。この写真では黒い積乱雲の上に虹色の天使が覆いかぶさっているように見えます。悪魔と天使ですかね。

下の写真ー 朝、車で走っていた時、地上すれすれに真っ黒い雲の帯が現れました。車から下りて写真を撮りましたが、さて行く方向は雲の下です。大嵐を覚悟して突入しましたが、何事もなくOKでした。こういう雲を作る気象条件はどうなっているのでしょうね。

下の写真ー お口直しに最後はタイののどかな空をご覧ください。タイの雲は二層、三層になっていることが多いのです。熱帯の湿気の多い空気が上空に上がって雲を作ります。この時、元の湿度が高いので低い高度で飽和水蒸気量に達し雲が出来ます。そのためタイでは手の届きそうな高さで雲が浮かびます。それが下の写真のポカリポカリ浮かぶ雲です。

いったん雲(水滴)が発生すると、つまり空気中の水蒸気量が減少していきます。それと同時に水蒸気から水に変わる時、凝縮熱が発生します。よって空気が雲の中を上に通り抜けるうちに空気は温まり飽和水蒸気量が上がって雲の発生は止まります。でも更に空気が上昇していくのでまた温度が下がり、飽和水蒸気量になるとまた雲が発生します。これで二層の雲が出来たことになります。三層の場合ももう一度おなじサイクルで雲が発生していきます。(注: 凝縮熱 - 水を蒸発させるとき熱を加えますが、反対に水蒸気が水に変わる時その熱が出てきます。)

つまりタイでは地上の水蒸気の多い空気が熱せられて、小さな範囲で上昇することによって雲が作られて行きます。それに対して日本では冷気と暖気の衝突による雲の発生やタイよりはるかに広い面積の低気圧(上昇気流)によって雲が作られます。そのため雲の大きさは広範囲で、タイの様に面白い雲を見られることは少なくなります。

2019年5月20日 記  カメラ CANON PowerShot S5 IS , SX260 HS

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タイに仕事で10数年滞在していました。日曜日はゴルフをしていましたが、ある時花の綺麗さとカラフルな鳥の美しさに気付いてしまいました。  それからはカメラをバッグに入れてゴルフです。あるゴルフ場では「写真撮りの日本人」で有名になってしまいました。(あ、ゴルフ場には迷惑をかけておりません。)それらの写真をメインに日本での写真も織り交ぜて見ていただければ幸いです。 また、異郷の地で日本を思いつつ自作した歌を風景の動画とともにご紹介していきたいと思っています。