撤退の蝶ヶ岳登山2

撤退の蝶ヶ岳登山1 の続きです。

下の写真…登山道は整備されています。このように急傾斜の所は木製の梯子段が取り付けられています。傾斜角度は60度位あるでしょうか。上に行くとこういう梯子段がもっと多くなりますが、それが登山撤退の遠因になることを、この時は知る由もありません。

下の写真…登っていくと突如怪獣が現れました。ゴジラです。朽ちた木が口を開けたゴジラそっくりです。皆さんが口に石を詰めて牙を作ってくれています。こういう遊び心は楽しいですね。

下の写真…尾根筋を上がって行くと、何箇所か眺望の利くところがあります。白樺の新緑と残雪の常念岳です。ずーっと森の中を黙々と歩いていて、突然こういう場所に出るとオーー!っと体全体で感動します。

下の写真…常念岳頂上の弩アップ写真です。オーイと呼べば届きそうな気がします。

下の写真…登山口より歩き始めて2時間。だいたい中間地点の「まめうち平」1916mに到着です。「まめうち平」という地名から分かる様に、ここからしばらく平坦に近い道が続きます。しかしその後は平均斜度40度の急斜面に突入します。

装備は6本爪の軽アイゼンです。軽アイゼンはつま先やかかとには爪がありません。足の真中に6本の爪が付いています。2000m付近からは傾斜の緩い残雪で、軽アイゼンをはいてサクサクと登っていきます。しかし2200m付近からは傾斜がきつくなり、足をフラットに置くと軽アイゼンの6本の爪が雪に引っかからなくなってきました。傾斜通りに足を置けば爪は刺さりますが、雪が腐り気味(半分解けた状態)なので6本の爪では弱くずり落ちてきます。またつま先を雪に蹴りこんでも傾斜がきついためあまり足場が作れず、更に雪が腐っているためその蹴りこんだとっかかりもすぐ崩れてしまいます。

登山道の階段は雪に埋もれてありません。そして階段がある道は、道がジグザグでなく直登になっていますので、山のきつい傾斜をそのままに受けてしまいます。下の方の雪のない道では階段は快適でしたが、雪道では困難な道に変化してしまいました。又道を踏み外すと雪の中に足がひざ位までズボッと落ちてバランスを崩し、滑落の恐れがあります。一万歩安全に歩いても一歩滑れば終わりです。2300m位の所で、これ以上登ることは軽アイゼンでは難しいし、私の技量では危険と判断し、くるっと向きを変えて下山を開始しました。

上と下の写真…実は下りの方が難しく恐ろしいので夢中で100m位下りました。そこで道は少し平らな所があり、ホッとしたところで写真を撮ることを思い出しました。それまでは登ることに必死で、カメラの事は頭に浮かびませんでした。上の写真は樹間に見える常念岳です。左の常念岳2857mから緩やかに下りてきた山の右側の肩は前常念岳2662mです。下の写真は松本盆地です。

下の写真…更に下りてまめうち平より下にくると、蝶ヶ岳北側の稜線が見えてきました。蝶ヶ岳の頂上は画面左の木に隠れています。

下の写真…夕方3時過ぎの常念岳です。前回の朝撮った写真と比べると全く違う趣の写真になりました。

下の写真…林道を一人でトボトボ歩いていると、谷の向こうに夕日を浴びる新緑が目に飛び込んできました。今回の登山ではこの風景が一番心に残るような気がします。

以上で撤退の蝶ヶ岳登山の記事は終わりです。恥をかくような未熟さで登山のプロの方からはお叱りを受けそうですが、皆さんがこの撤退の原因を把握してくれることで同じような目に合わないことを願っています。

2018年6月19日 記  カメラ SONY  RX10Ⅳ

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タイに仕事で10数年滞在していました。日曜日はゴルフをしていましたが、ある時花の綺麗さとカラフルな鳥の美しさに気付いてしまいました。  それからはカメラをバッグに入れてゴルフです。あるゴルフ場では「写真撮りの日本人」で有名になってしまいました。(あ、ゴルフ場には迷惑をかけておりません。)それらの写真をメインに日本での写真も織り交ぜて見ていただければ幸いです。 また、異郷の地で日本を思いつつ自作した歌を風景の動画とともにご紹介していきたいと思っています。