侮るなかれ 烏帽子岳登山

5月29日に長野県松川町にある烏帽子岳に登って来ました。5月24日に登った傘山(からかさやま)では、見えるはずの中央アルプス南部が雲に覆われて、私の気持ちもスッキリしないものがありました。その後天気予報や気圧配置図を見ていくと29日は梅雨前の最後の晴れ渡った日になりそうで、28日の夕方登山に行くことを決めました。ただ同じ山に登っても面白くないので、その近くの山でもう少し登る時間のかかる山、つまり中央アルプスに肉薄出来る山ということで烏帽子岳に決定しました。

下の写真… 中央アルプス南部の山を、朝行く途中に撮った写真です。

下の写真… 松川町から登る目的の烏帽子岳を撮りました。左の小八郎岳を経由して登ります。

下の写真… 登山口の鳩打峠です。駐車場は30台位の車で一杯でした。写真右の車から何やら大きな荷物を降ろしています。これが後程何だか分かる事になります。

下の写真… 登山道案内図です。半世紀前にこのルート、鳩打峠→烏帽子岳→奥念丈岳→越百山→南駒ヶ岳→空木岳と縦走した事が思い出されます。その昔は車が無いので20㎏余の荷物を背負って飯田線上片桐駅から鳩打峠まで歩いて、それから登山開始でした。

下の写真… 鳩打峠を7時に出発して程無く小八郎岳との分岐点です。左の道は直接烏帽子岳に行く登山道で時間差は30分程縮まりますが、景色を見る為右の小八郎岳へ向かいます。

下の写真… こちらの道は途中にササユリの群生地があります。でも見渡したところあまり見かけませんでした。もっとも花がまだ蕾の為、目に付き難かったのかなと思います。

下の写真… 登山口から約50分で小八郎岳山頂です。その山頂に美しい女性二人の登山者がいました。私の後に例の車から降ろしていた大きな荷物を持った人たちが到着しました。女性たちがその荷物は何と聞くと、山の案内板ということで開いて見せてくれました。それでは皆でお披露目をしようという事で記念撮影をしました。両側が登山者の女性二人で真ん中の方がこの案内板用の写真を撮った方です。女性の方たちには顔写真を出していいよと了解を頂きました。ありがとうございました。山では知らぬ人でも直ぐ友達のようになれますね。ところで後ろの中央の尖った山が烏帽子岳です。

下の写真… 登山道にベニドウダンの花が咲いていました。山ツツジは咲いていたのですが、ドウダンが見られるのは珍しいです。後、イワカガミも咲き始めていました。

下の写真… 8時45分に5合目に到着です。この割合で行くと10時半に山頂に着くのですが、如何なる事でしょう。ただいつも思うのはこの何合目というのは標高基準なのか、歩きの距離なのか、かかる時間なのかそれが分からないと折角の指標もはっきりしません。それを表示して頂けると非常に助かるのですが。

下の写真…途中に展望台がありました。烏帽子岳の象徴の烏帽子岩も見えています。

下の写真… こんな場所もあります。平坦なのでここだけはルンルン気分で歩けます。しかし、この道脇の木が無かったら恐ろしい尾根道となります。高所恐怖症の人にとっては嫌な登山道になるでしょうね。

下の写真… この山は主に花崗岩で出来ていて、このように崩落場所があります。半世紀前はこの崩落の頭に登山道があって、怖い思いをして通過した記憶があります。今はその道は崩落してしまった様で、1~2m尾根から逃げて道を作ってあります。でもそれも何十年か後には崩落の運命にあるのでしょうね。

下の写真… 7合目から上は、傾斜がきつくなってきます。40~50度の角度の所も頻繁に出て来ます。更にそのうえ土道は雨で掘れて下がり、木の根はそのままなので段差が50cm以上ある所も結構あります。足が上がりにくくなった方たちには厳しい道です。傘山は傘寿(さんじゅ:80歳)で登る人もあるようですが、この烏帽子岳はそうはいきません。里山にしてはかなり厳しい山だと思います。その代わり頂上での眺めは最高です。

そんな中、この地蔵平はオアシスです。やはり皆さんこの場所では休憩を取るようで、先程の女性たちも休憩を終えて出る所でした。私も休んで、首に掛けていたカメラと双眼鏡はリュックに入れてしまいました。道が厳しいので邪魔になるからです。

下の写真… 烏帽子岩の横に出ました。リュックからカメラを取り出して撮影です。下は伊那谷南部の高森町、飯田市方面です。

下の写真… 烏帽子岩の頭です。上級者コースでこの頭を通るルートがありますが、今回は遠慮しておきました。奥に見える山は南アルプスで左から塩見岳、悪沢岳、荒川中岳、赤石岳です。

下の写真… 11時、ちょうど4時間で烏帽子岳山頂2194mに到着です。やはり苦しい登りで時間がかかりました。しかし圧倒的な眺めが待っていました。本当に疲れは一瞬のうちに消えてしまいました。イヤー、思い切って登ってきて良かったです。何事も行動に移さなければ得るものは有りません。5日前の傘山での眺望のリベンジが出来ました。

下の写真… 上の写真の右手の裾野を眺めると、ありました。傘山1542mです。その標高差652mです。圧倒的な標高の差があります。登るのに倍の時間が掛かるわけです。

下の写真… さて個々の山を望遠で見ていきましょう。先ず左手の山の越百山2614mです。この山は木曽から直登出来て5時間半かかります。中央アルプス2500m以上の最南部の山となります。

下の写真… 左は仙涯嶺2734m、右奥は南駒ヶ岳2841mです。仙涯嶺は宝剣岳南斜面と肩を並べる難所の岩場の登山道です。有名な方でこの山で滑落して亡くなっている方も居られます。

下の写真… ここは説明がややこしいので写真に山の説明を入れました。最初の方で書きましたが、その昔の縦走の途中に水が乏しくなってこの摺鉢窪カールに降りました。当時も避難小屋は有りましたが古い小屋でボロボロでした。水はカールの縁からロープで少し降りると、つまりは百間ナギの崖の途中で水が出ていて、そこでポリタンクを満杯にして縦走を続けることが出来ました。

下の写真… 空木岳です。駒峰ヒュッテも見えています。そして山頂をよく見ると、登山者が6~7人いるのが見えます。分かるでしょうか? この山はその昔、木曽の倉本駅から徒歩で山頂直下の木曽殿山荘まで約10時間かかって登り、次の日空木岳山頂へ登り駒ケ根市の菅の台まで下りて来た思い出があります。菅の台には五平餅の美味しい小さな茶店があり、ここに下りて来ると其処に寄って食べていたのを思い出します。今は如何なったのかなあ?

下の写真… も一度中央アルプス南部の主峰群を載せておきます。圧倒的に素晴らしい眺めですね。

下の写真… 中央アルプスだけではありません。遠く八ヶ岳も見えます。主峰赤岳がそそり立っているのがハッキリと見えます。

下の写真… このブログの愛読者にはお馴染みと思いますが、山名を挙げておきます。中央左に鋸岳、右に半分隠れていますが甲斐駒ケ岳、そして更に右の大きな山は仙丈ケ岳です。

下の写真… 3つの山が見えます。左から北岳、間ノ岳、農鳥岳です。

下の写真… 左から悪沢岳、荒川中岳と前岳、少し空いて赤石岳、一番右奥に聖岳です。

昔の事を思い出しながら、思い出深い登山になりました。その昔は毎晩2時過ぎまで勉強していてろくに運動してないのに、20㎏以上の荷を背負って駅から念丈岳付近まで1日で歩けた事に驚きを感じます。若いっていいね! 皆様、今の時間を大切にしてください。未来から見ると今の自分が一番若いのですから。

2022年5月31日 記  カメラ SONY  RX10Ⅳ

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タイに仕事で10数年滞在していました。日曜日はゴルフをしていましたが、ある時花の綺麗さとカラフルな鳥の美しさに気付いてしまいました。  それからはカメラをバッグに入れてゴルフです。あるゴルフ場では「写真撮りの日本人」で有名になってしまいました。(あ、ゴルフ場には迷惑をかけておりません。)それらの写真をメインに日本での写真も織り交ぜて見ていただければ幸いです。 また、異郷の地で日本を思いつつ自作した歌を風景の動画とともにご紹介していきたいと思っています。