ヒマラヤ ゴーキョトレッキング12-1 の続きです。
クムジュン村の裏山のクンビーラ山5765mにも日が当たり、辺りもだんだん明るくなってきました。
下の写真…回りの山の朝の写真が撮れたので、いったんロッジに帰ります。丘から下りてきて村の畑の所に来たら、カラスがいます。といっても嘴は赤く普通のカラスではありません。名前はベニハシガラス(紅嘴鴉)といいます。実はこの鳥にクムジュン村に来る途中の大岩壁付近で会っていたのです。
歩いているとシュッーとかビュッーとか音がするのです。何だろうと思って周りを見渡すとカラスが3~4羽飛んでいます。するとそのカラスが急斜面に沿って上空から急降下するときにその音が出るのが分かりました。そしてそのカラスをよく見ると赤い嘴を持っていました。この鳥は翼先の羽が間隔を空けて広がっていて、勢いよく飛ぶとその羽が振動して音が出るという事のようです。
このベニハシガラスの他に、キバシガラス(黄嘴鴉)という黄色の嘴を持ったカラスもヒマラヤにいますが、それにはお目にかかれませんでした。
下の写真…ロッジに帰って来ました。するとちょうどタムセルク6618mの頂上から日の出になりました。時刻は7時56分でした。これで村も明るく暖かくなっていきます。
こうなれば回りの山は日がすべて当たって、良い写真が撮れるだろうと考えました。急いで朝食のチャパティを食べて、もう一度丘に登ります。その丘は上の写真で右側の黒い尾根です。
下の写真…ところが綺麗に見えると思っていたローツェにはもう雲がかかり始めていました。
下の写真…振り返ってコンデ山を見ると、こちらも雲が涌き始めています。まだ9時ちょっと前です。日本だったら10~11時くらいまでは大丈夫の時が多いのですが。ヒマラヤは標高差があるので、山に沿って発生する上昇気流の温度差が大きくなります。すると飽和水蒸気になる温度以下に下がって、雲が発生してしまうのでしょう。
下の写真…丘の斜面でヤクが朝飯を食べています。これは野生ではなく村の人が放し飼いにしているヤクですが、あまりにも近づきすぎると危険な時もあるようです。この写真は望遠で撮っていますので大丈夫です。
下の写真…クムジュン村全体に日が当たって地面が温められ、上昇気流が発生したのでしょう。クンビーラ山にも雲が涌いてきました。
下の写真…丘の上に行くとエベレストが良く見えてきます。エベレストより左奥の方向はチベットになります。そちらから風が強く吹いて、エベレストに発生した雲がこちらに吹き飛ばされています。
下の写真…ローツェにもその影響が出始めています。
事態は好転するかと思って山を見ていましたが、ますます雲が多くなってきます。仕方ない。ロッジに帰ります。
下の写真…ロッジに着くと道端で子供の散髪が始まりました。刈っているのはお父さんでしょうね。ナムチェやルクラでは観光客用にちゃんとした理髪店がありました。この写真の風景が山の村での日常的な姿なのでしょう。のどかな風景でした。
下の写真…とそのとき遠くを見ると、アマダブラム6814mが噴火している?ではありませんか。たしか昨日11月3日にも噴火したように見える場面がありましたね。どうも偶然ではありません。この山の形に沿った上昇気流が、このように噴火しているような雲を発生しやすくしているのではないでしょうか。画面下の尾根上にある村はタンボチェ村3860mです。富士山より標高は高いのですが、ここでは谷底にある小さな尾根の上です。ヒマラヤの大きさ恐るべしです。
2018年2月13日 記 カメラ SONY RX10Ⅲ
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