3月2日は雨が降りました。昔なら雪ですが春が早くなってきました。次の日に散歩に出ると、山は真っ白な雪に覆われていました。しかし里では花が咲き始めています。
下の写真… 中央アルプスの木曽駒ケ岳の北にある雪で真っ白な将棋頭山です。その左のピークを将棋頭と言います。この地方ではこの将棋頭を知らない人はほとんどいません。三角のピークが将棋の駒の頭にそっくりなので、皆さん覚え易いようです。
下の写真… その将棋頭の右鞍部に山小屋の西駒山荘が見えます。この黒っぽく見える建物は実際は濃い赤系の建物で、2014年に新築した建物です。この左に僅かに見えますが、昔の石室の山小屋が残っています。この岩室は昔は伊那小屋と言っていた記憶がありますが、1915年(大正4年)に地元の尽力で造られました。1913年(大正2年)に箕輪村(現在は町)の尋常高等小学校の生徒(現在では中学)の学校登山で遭難が起こり、赤羽校長と生徒を含め11人が亡くなってしまいました。
原因は複雑で、一つは泊まる予定の山小屋が火事で焼けてしまっていた事と(他の説では山小屋がボロボロで雨露を凌げなかった)、そこに折悪しくも台風が襲った事でした。詳細は新田次郎の小説「聖職の碑」を読めば分かると思います。そしてその悲劇を繰り返さないようにと、地元の人々が雨露が凌げて火に燃えない石室を造ったのです。その石室は現在登録有形文化財になっていますが、内部の板敷などを改築して現在も使えるようになっています。
なおこの将棋頭山から少し木曽駒ケ岳に行った所に遭難碑があります。また西駒山荘周辺では、夏に赤みが強いコマクサがたくさん咲きます。これは学校登山で地元の中学生が植えたものです。
下の写真… 将棋頭から伊那の権現山に下りて来る権現づるねです。1800mから2000mには雪が樹木にびっしりと着いています。
下の写真… 権兵衛峠から南に延びる尾根も白い雪にびっしりと覆われています。手前の里山の松の緑と対照的ですね。
下の写真… 下の里では(標高約850m)、白梅がちらほらと咲き出しました。白い雪山に対抗して里では白梅で応えています。
下の写真… 陽だまりの散歩道では今年初のクロッカスがお目見えです。
下の写真… 先月は部分的に咲いていたオオイヌノフグリが一斉に咲き出しました。野原に出た可愛い園児たちが日に顔を向けて一斉に喜んでいるような感じがします。それをドローンで上空から撮っている様に見えますね。
2021年3月9日 記 カメラ SONY RX10Ⅳ、WX350
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