月光仮面は居るか?

妄想恢恢、粗にしてお粗末。

1958年から次の年にかけてテレビで放映された月光仮面は子供達に大人気で、その時間帯は銭湯がガラガラになるという現象も見られたとのことです。

♪どこの誰かは知らないけれど、誰もがみんな知っている♪

よく考えなくても矛盾した歌詞ですが、俺たちは知っているんだぞという連帯感をあおります。作詞者の川内康範先生に勝手に解釈するなと怒られそうですが。

♪月光仮面のおじさんは、正義の味方よ、良い人よ♪

現実ではそんな人は居りませんが、そういう人を願望する気持ちが出ています。

♪疾風の様に現れて、疾風の様に去って行く♪

正義の味方は居たとしても、あっという間に消えていく儚い存在だという事ですね。因みに乗っているバイクは、放映の前年に発売されたホンダのドリーム C-70という250㏄のバイクです。最高速度130㎞、販売価格17万2千円の高級バイクでした。

♪月光仮面は誰でしょう、月光仮面は誰でしょう♪

正義の味方は覆面していて誰だか分かりません。これは悪人達に正体がばれてしまうとやっつけられてしまうため、どうしても必要なコスチュームなのです。正義がこそこそしなければならないほど悪の力が強いという事です。

他にも、この印籠が目に入らぬか!とその一喝で悪代官が「ハ、ハー。恐れ入りました。」となる皆様よくご存知の場面や、新しい所では、竈門炭治郎が苦労して鬼をやっつける「鬼滅の刃」など枚挙に暇がありません。そしてどれも最後は正義が勝利します。もし悪が正義をやっつけて勝利したらどうなるでしょう。たぶんそれを見る人の心は不完全燃焼を起こすでしょう。

何故か? それは現実と同じだからです。何故そういう本やマンガ、テレビを見るのかというと、時間潰しや現実逃避もありますが、うっ憤晴らしもありますね。主人公がどんなに苦境に陥っても最後には勝つ、というストーリーは安心して見ていられます。日常ではどちらかというと負ける事が多いので、こういう物語で心のバランスを取る事が出来ます。

例えばご存知の水戸黄門漫遊記は、明治の中頃に大阪の講談師が作ったようです。その背景には、明治になって地方のぽっと出の役人が、悪徳商人と結託して権力を振りかざして庶民をいじめた様です。そこで話を江戸時代に設定して、生類憐みの令の悪令に反対した光圀を主人公にして、悪代官や悪徳商人をやっつける講談をしたところ、受けに受けて次から次へと物語が出来ていったのです。あの印籠を出す場面は、庶民にとってどんなに気持ちよかった事でしょう。講談は庶民の娯楽でもありガス抜きでもあったのです。

さてそこで現実に帰って、正義の味方はいるのでしょうか。皆様も分かっている様に正義の味方はほとんどいません。悪は多々います。もし悪が無ければ正義という言葉もないと思います。悪は必ず先に生まれますが、正義はその後生まれるか生まれないか分からない状態です。ただ庶民の小悪は法律で裁かれます。そして上の人と呼ばれる人たちの大悪は裁かれずほったらかしです。更に問題なのは極悪というのがあります。しかしこの極悪は庶民には分かりません。マスコミは報道をしませんし、一見、博愛主義や平等主義などの衣を纏っていますので、深い洞察なしには全く気付きません。だから悪の姿が見えないので正義の味方は出て来ようもありません。もし気付いたとしても極悪は膨大な資力と権力を持っていますので、ちっぽけな正義の味方など敵う訳がありません。

それと対抗する数少ない手段の一つは、思考停止しないことです。あの人は新聞やテレビと違うトンデモない事を言っているが、そんな事あるわけないじゃん、常識から外れている、と思う人は真実は見えづらいかもしれません。なんであんな事を言うのかなと自分で調べ、妄想を広げて見る事が大事になるかと思います。そう言う人が多くなればなるほど極悪の姿が浮かび上がって来るでしょう。最終的には自分自身が正義の味方にならなければ世の中は良い方に変わっていかないと妄想する次第です。

最後に大きな妄想を一つ。これから先直ぐ、自分たちの想像もしない事態が次から次へと起こると思います。まー、今までも起こっていますが、深く考えないので変だなと感じているだけです。そして日常の忙しさに紛れ、忘れていくのが当たり前でした。なんでそんな事がと感じても、それはその事象の底に流れているものに気付けば理解できるのです。ただしそれは人によっては、今までの自分の意識をひっくり返すほど大変な事です。けれどそれに気付けば大きな正義の味方も現れてくると思います。ただ、自分は変わらずに人任せの人たちにはその正義の味方も来てくれません。皆で自分自身を変革していく事が、この鬱屈した未来のない世の中を変えていく事が出来るのではないかと思います。子供や孫たちのためにも。

妄想恢恢、粗にしてお粗末」でした。

2021年1月11日 記

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タイに仕事で10数年滞在していました。日曜日はゴルフをしていましたが、ある時花の綺麗さとカラフルな鳥の美しさに気付いてしまいました。  それからはカメラをバッグに入れてゴルフです。あるゴルフ場では「写真撮りの日本人」で有名になってしまいました。(あ、ゴルフ場には迷惑をかけておりません。)それらの写真をメインに日本での写真も織り交ぜて見ていただければ幸いです。 また、異郷の地で日本を思いつつ自作した歌を風景の動画とともにご紹介していきたいと思っています。