ヒマラヤ ゴーキョトレッキング1 の続きです。読者の皆様もじっくりと体験できるよう、ブログ記事の進行はゆっくりといきます。
下の写真…2日目の朝、昨日到着時に会ったガイドさんと一緒にカトマンズのトリブヴァン空港につくと大変な事態になっていました。ルクラ行きの飛行機は運航停止になっていました。皆さん荷物を積んでワイワイと騒いでいます。ここカトマンズでは晴れていますが、着陸するルクラ付近は霧だか雲の中で、有視界飛行のため着陸できないとの事です。ただ、雲が晴れれば飛ぶことが出来るので、ルクラ行きの人たちは全員待機です。けれどカウンターでは航空券は発券してくれません。前2日間もそのような状態で乗れた人はわずかのようです。とにかくルクラ空港は世界で一番危険な飛行場と認識されているので、誰も文句を言う人はいません。
下の写真…6時半が始発で私は9時の便でしたがいっこうに飛行機が出る様子はありません。座っている椅子は鉄をパンチングした椅子で、お尻が冷えてくるし痛くなるしどうしようもありません。ようやく11時過ぎに第1便が出発しました。そしてカウンターでようやく発券してくれました。券の右に何やら英語で書かれています。フライトの注意事項かと思いきや、トレッキングの注意事項が書いてありました。
下の写真…夕方3時半に搭乗OKになりました。飛行機はイエティ航空の系列会社タラ航空で、双発で乗客18人乗りのプロペラ機です。積んだ登山装備の重量があるためか、乗客は16人でした。
下の写真…操縦室はジャンボ機と違い、カーテンの仕切りだけの開けっ広げです。こんな飛行機をハイジャックしても遠くに逃げるわけにもいきませんし、操縦室にもう1人はいる余裕もありません。さて飛行機に乗れてもOKではありません。ルクラの飛行場と連絡を取っていて、雲の状態が良くないらしく中々発進しません。それでもなんとか4時ちょっと過ぎにようやくGOが出て出発です。
下の写真…憧れのヒマラヤが見えてきました。画面右の雲の所に、国内線の小型飛行機が飛んでいるのが見えます。アンナプルナでもそうでしたが、ヒマラヤ山中への空路は結構発達しています。ネパールの国の半分が山ですから、当然といえば当然です。
下の写真3枚…たぶん見えている山は、マナスル山群からランタン山群辺りの山と思われますが、まだ行った事がないので山の特定は出来ません。また飛行機の窓が汚いため、ピントがいまいちの写真になってしまいました。
下の写真…飛行機が高度を下げてきました。ルクラの飛行場が近づいてきたのでしょう。ゴチュング山3473mの尾根ががすぐ横に聳えています。霧や雲があればぶつかる可能性がグンと高くなります。
下の写真…谷間の中腹にルクラ2840mが見えてきました。エンジン出力をフッと落としたのがわかりました。あれ? エンジンストップかと一瞬焦りました。
下の写真…着陸数秒前の写真です。失敗すれば山腹にガチャンです。10か月くらい前に1機お陀仏になったとガイドさんが言っていました。そのため今は重量制限が厳しく預け荷物は15㎏以下で、持ち込み荷物も6㎏(記憶が定かではありません)くらいに制限しているようです。
下の写真…着陸成功です。その瞬間は乗客全員が手を叩いて拍手でした。その時一人が突如「オー、マイゴット」と叫んで、機内は爆笑に包まれました。降りた乗客には笑みが浮かんでいます。大げさに言えば生死を共にした仲間です。
下の写真…飛行場の奥は4000m越えの山裾が迫っています。止まることが出来ず、画面右の山側の石壁に衝突した飛行機もあったそうです。
下の写真…スチュワーデスさんが下りてきましたので、記念に撮らせてもらいました。そしたら他の人も我も我もとカメラを持って集まり、スチュワーデスさんは一躍スターになりました。このスチュワーデスさんも毎日命を懸けて勤務しているのです。たいしたものです。
下の写真…ルクラ空港の全貌です。今は改名してテンジン・ヒラリー空港というそうですが、このブログではルクラ空港と記していきます。因みにこの空港はエベレスト一番乗りのヒラリーさんが尽力して建設したそうです。ここの滑走路は460mしかなく、尚且つ12度傾斜しています。世界一危険な空港として名を馳せています。
着陸は谷に面した先端に着陸し、画面手前の方にに坂道を上がってくる感じで減速して止まります。霧のため視界が利かなかったり、強風が吹いたりして滑走路先端の谷の岩に激突する飛行機もあります。また離陸するときはエンジンを最大出力にしてこの坂を下っていきます。滑走路先端の谷に落ちる直前に浮き上がってOKとなりますが、下手をすると谷に落っこちてしまいます。霧、雲の影響で視界が利かずに山に激突することもあります。自然条件が良くパイロットの腕がいい時のみ無事生還できます。そういう恐ろしい飛行場です。
下の写真…この日はルクラより3時間ほどトレッキングする予定でしたが、飛行機が遅れて暗くなってきたのでここで泊まることにしました。カフェ・ダンフェというロッジで、主人はガイドさんの友人でヘリコプターのパイロットをしているそうです。夕飯はチーズスパゲティーとオニオンスープを注文しました。山の中ではこんな感じの食事になります。アルコールは山にいる二週間は完全に絶ちました。
2017年11月26日 記 カメラ SONY RX10Ⅲ
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