アンコールトム2 の続きです。
さあー今日は「クメールの微笑み」の四面像を中心に見ていきましょう。四面像とは石の塔の横の4面に顔を彫った像です。この写真は、寺院の下から四面像が見えたので、撮ってみたものです。下から見ると「クメールの微笑み」は感ぜられず、強い「意志」みたいなものを感じます。本当に「石」ですね。
途中にクメールの綺麗な女性が待っていてくれました。四面像とは違い繊細な作りです。よくこれが800~900年もの間崩れずに残っていてくれました。石のイメージは硬くて崩れないイメージがありますが、実際日本の古い石塔や墓石などで分かる様に、崩れて字も読めなくなっていきます。しかしこの像は頭部の冠の細かい細工がそのまま残っています。
私の推測としては、日本より温度差が少なく、石の膨張、収縮が少ないこと。もうひとつは0度以下にならないこと。どういう事かというと、石のちょっとした割れ目に入った水が氷になることで膨張し、石の割れ目を大きくしてしまいます。そういう現象がカンボジアでは起こらないことが幸いしたのかなと思っています。
上部のテラスに出ました。ここには四面像の塔がいっぱいあります。世界中の観光客もいっぱいです。
下の写真は四面像の顔が3つ連続で見える位置があったので撮ってみました。似たような顔ですが少しづつ違っていますね。顔の大きさは、畳2枚を正方形に置いたくらいの大きさです。作り方はまず石を塔に組み上げてから、それぞれの4面に顔を彫っていったと思いますが、石のため一つの顔を彫り出すにも大変な日数がかかったと思います。
アップの写真です。上の写真の顔より目がはっきりしています。この顔より推測して、クメール人は切れ長の目とずんぐりした鼻、厚い唇をもっていたと思われます。
下の写真は高い塔にあった顔で比較的端正な顔をしていました。が、鼻は欠けています。他の顔も鼻が欠けているものが多かった気がします。この寺院は最初は仏教寺院として建てられましたが、後にヒンズー教に代わったそうです。その時仏像を排斥する動きがあったとかで、その名残かと思います。
下の写真はパンフレットによく載る四面像の顔です。右下にあります。顔は壊れた所がなく、造作もはっきりしていて代表的な「クメールの微笑み」です。ここは観光客が順番待ちで写真を撮っています。我々は順番待ちが多すぎて写真を撮れませんでしたが、もし皆さんがアンコールトムに行かれましたら、是非記念写真を撮ってください。
明日はアンコールトムシリーズの最終になります。次の記事
2017年2月28日 記
コメントを残す