知られざる大展望 笹山登山1

先週の土曜5月12日に笹山に登ってきました。この笹山はほとんどの方が知らない山です。大げさなタイトルになってしまいましたが、期待を通りこした南アルプスの大展望でした。南アルプスは伊那谷から見ますと、南アルプスに並行して前山の伊那山地(伊那山脈ともいう)があります。そのため前山のない中央アルプスのように、直接全体を眺める事は出来ません。今回登った山は南アルプス中央に位置する塩見岳3052mの縦走路に繋がる支脈にあります。つまり伊那山地を通り越して、南アルプス山域に入りますので眺めは良くなります。

ついでですが南アルプスと伊那山地の間に谷が南北に延び、そこを断層帯の中央構造線が走っています。ゼロ磁場で有名な分杭峠もその線上にあります。何か関係があるのでしょうか?

下の写真…伊那から見た塩見岳方面です。左に 以前に登った戸倉山、右に双児山で笹山はその右奥にあります。この写真で分かる様に南アルプスは前山の伊那山地で半分隠れています。

下の写真…行く経路はまず中央自動車道の松川インターで下り、東に向かって天竜川を渡ります。そこからは中央アルプスの南部がきれいに見えます。

そして天竜川の支流の小渋川を遡ると、国の無形民俗文化財の大鹿歌舞伎で有名な大鹿村に到着です。ここで道は152号線を離れ右折し、画面右の塩川の流れる狭い谷間に入っていきます。

下の写真…ちょうどこの場所に案内図がありました。地図の現在地から上の写真の左の橋を渡って100m程で右折します。地図の赤い経路を辿り黒川牧場まで約16㎞行きます。その途中は車のすれ違いが出来ない所が多々ありますので、対向車が来たら譲り合いは必須です。

下の写真…途中の林道脇に山桜が満開でした。山桜は花の色は薄いのですが、周りが新緑の為とても華やかに見えます。

下の写真…黒川牧場入口に到着です。位置は下の図の右下の赤字で駐車と書いている所で車を下ります。それから地図中央の青い道(2.2㎞)を上の天空の池まで歩いていきました。この看板は天空の池の横にあり、車でここまで行けます。しかしこの日は林道の舗装工事中で全面通行止めでした。仕方ないので45分かけて青い道を登ります。でもこの道は牧場の中を通っていて眺めは抜群です。

下の写真…青い道を登り始めてすぐに牧場の下部の写真を撮りました。まだ草が伸びていないので牛は見当たりません。丸い池は牛の水飲み場でしょう。

下の写真…牧場の上部です。この中を大きくジグザグに登っていきます。

下の写真…すると途中で道を横切る犬位の大きさの動物がいました。その動物が林の中に入り、隠れたと思ってホッと一息ついているところを1200㎜の望遠で撮りました。この動物は「日本アナグマ」です。名前は知っていましたが、実物を見たのはこの時が初めてです。全身の毛並みが黒ければツキノワグマの子供と間違えるかもしれません。

下の写真…道の途中から北西方向に乗鞍岳3026mがくっきりと見えます。

下の写真…そして西方向には中央アルプスがすべて見えます。この写真は馴染みの薄い中央アルプス南部を撮っています。説明が大変なので写真に山名を入れてあります。中央アルプスの主峰木曽駒ケ岳から1日縦走して到着するのが空木岳2863mです。そして画面左に南下していくと、赤梛岳(アカナギダケ)2798m、南駒ケ岳2841m、仙涯嶺2734m、越百山2613mになります。高校2年生の時はもう一人の級友と二人で、飯田線の上片桐駅から歩いて烏帽子岳→奥念丈岳→越百山、そしてこの写真の尾根を辿り空木岳まで3泊4日で縦走をしました。かなりバテましたが若い時はよく歩けたものです。

下の写真…空木岳のアップ写真です。頂上右下の尾根のちょっとした平らな所に駒峰ヒュッテが小さく小さく見えます。拡大して見えるでしょうか?

下の写真…これもアップ写真です。右は赤梛岳2798m、中央は南駒ケ岳2841m、左は仙涯嶺2734mです。赤梛岳と南駒ケ岳の間に百間ナギという大崩落地帯があります。南駒ケ岳の右下にカール状地形があり、その先端が今も崩落を続けています。雪が切れて灰色っぽく見えるところです。先端の崩落際を拡大して見ると、避難小屋の摺鉢窪小屋が見えます。崩落が小屋に迫っていますので100年後は小屋が無くなっている可能性もあります。小屋どころではなく1万年後には山も消えている可能性もあります。

唐突ですが時代小説家の佐伯泰英の「交代寄合伊那衆異聞」という小説をご存知でしょうか。この小説の第10巻「難航」の第二章にこの百間ナギを舞台にした戦闘場面もありますよ。

下の写真…中央が越百山2613mです。これより南(左側)は2500m以下の山が3つくらいあるだけです。ちなみに奥念丈岳2303m、念丈岳2291m、安平路山2363mです。

次回は塩見岳の雄姿をお見せする予定です。

2018年5月17日 記  カメラ RX10Ⅳ

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タイに仕事で10数年滞在していました。日曜日はゴルフをしていましたが、ある時花の綺麗さとカラフルな鳥の美しさに気付いてしまいました。  それからはカメラをバッグに入れてゴルフです。あるゴルフ場では「写真撮りの日本人」で有名になってしまいました。(あ、ゴルフ場には迷惑をかけておりません。)それらの写真をメインに日本での写真も織り交ぜて見ていただければ幸いです。 また、異郷の地で日本を思いつつ自作した歌を風景の動画とともにご紹介していきたいと思っています。