餅つき

12月30日に毎年恒例の餅つきをしました。コロナ前は近所や知り合いの方も参加して、酒を飲みながら餅をつく大きなイベントでしたが、今は家族のみで寂しい限りです。最近では自宅で餅つきをする家は中々見かけませんが、我が家では60年以上に渡って続けています。

下の写真… もち米を蒸しているところです。かまどはHONMA製の時計型ストーブを使っています。例年曇りや雪、強風にたたられますが、今年は穏やかな日差しの中で進行していきます。蒸し器の上に重しを載せてあります。蒸気が逃げにくい様にして蒸気圧を高めお米を蒸れ易くします。なおもち米は前夜に洗って水に浸しておきます。この浸す時間が短いと蒸しても米に芯が残ります。私の経験では10時間以上は浸しておいた方が良いと思っています。

下の写真… 25分位蒸して蓋を開けてお米を少し食べてみます。美味しく食べられるようならokです。なお、お米にたくさんの穴が開いておりますが、これは火に掛ける前の蒸し器に米を入れた時に指を押し込んで開けたものです。この理由は米全体に蒸気が回り易くするためです。蒸れの偏りを防ぎます。

下の写真… 蒸し上がったもち米を、蒸し器をひっくり返して臼に入れた所です。なお臼はこの日の一番最初に沸かした熱湯を入れて温めておきます。杵もこの熱湯の中に入れて置きます。そして当然ですが餅をつく前にお湯を捨てておきます。臼の大きさは一般的には3升臼ですが、我が家は小型の2升臼を使っています。親父の代からの年期ものです。ひびがかなり入っていますが愛着がありますので使い続けています。写真の割り箸は孫が炊きあがったもち米を食べたいとの事で使った箸です。

下の写真… 餅つきの最初はこねです。杵を米に押し付けてつぶしていきます。臼の周りをグルグル回りながら杵をひねって押しつぶしていきます。このこねをしないで餅つきを始めますと、お米が四方八方に飛び散ってしまいます。なお表題の写真はこの時の臼を廻っている様子です。孫が後ろを付いていっしょに廻っています。

下の写真… こねが終わったら餅つきのイメージどうりの餅つきになります。大切なのは力いっぱい杵を振り下ろす事でなく、確実に臼の真中に杵を降ろしていく事です。臼の縁を叩くと木くずが餅の上に飛び散り、それを取り除くのに大変手間がかかります。またつき手と返し手の息のあった呼吸がとても大切になります。返し手の上手下手で餅の仕上がりが変わって来ます。ここの主役はつき手ではなく返し手でしょう。

下の写真… 搗きあがって餅のお供えを作っているところです。返し手が臼の中で表面にしわが無い様に作って行きます。でも餅が冷めていくので素早く綺麗に仕上げなくてはなりません。これも熟練の技かも知れません。

下の写真… 出来たお供えを打ち粉をしながら形を整えていきます。打ち粉は上新粉や片栗粉などを使います。

下の写真… 残りのお餅を板餅にするために臼の中で綺麗に整えていきますが、ゆっくりするわけにはいきません。この大きな餅を手に持ちながら素早くのし板に移します。移動中は餅が下に垂れてきますし、熱いので大変です。

下の写真… 餅がのし上がりました。どの位大きくするのかは厚みとの関係で決めます。板餅が厚い方が良いのなら伸ばしは程々にします。この後は包丁で板状に切り分けていきますが、直ぐに切ると餅が包丁にくっついてしまいますので、少し時間を置いて切った方が切りやすいでしょう。

私が好きな餅の食べ方は、この後のまだ固くならない板餅をそのままで食べるか砂糖醤油に着けて食べる食べ方です。もっともこれは自分で餅をつかないと出来ない食べ方です。もっとも今は自動で餅をつける機械もあるから可能ですね。それにしても一つの行事を行う事はかなり精力を使います。子供達が出来るようにやり方を教えてきましたが、いつまでこの餅つきが続く事やらと思っています。

2023年1月1日 記  カメラ SONY  WX350

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タイに仕事で10数年滞在していました。日曜日はゴルフをしていましたが、ある時花の綺麗さとカラフルな鳥の美しさに気付いてしまいました。  それからはカメラをバッグに入れてゴルフです。あるゴルフ場では「写真撮りの日本人」で有名になってしまいました。(あ、ゴルフ場には迷惑をかけておりません。)それらの写真をメインに日本での写真も織り交ぜて見ていただければ幸いです。 また、異郷の地で日本を思いつつ自作した歌を風景の動画とともにご紹介していきたいと思っています。