縄文の石器

5月5日に思いもかけない事が起こりました。ネギ畑でしゃがんで土の表面をねじり鎌で掻きながら草を取っていました。

下の写真… その時、掻いた土の表面に三角形の小さな石がある事に気が付きました。すぐさまこれは「矢じり」だと気付いたのです。普通は黒曜石で出来ている事が多いのですが、これは黒くなくどうもヒスイで出来ているようです。刃先は緑色に光が透けて見えます。残念なのは先端は1mmくらい欠けているように見える事です。縄文人がこれを作っている時に欠いてしまったのか、使っているうちに欠けたのか、はたまた私が畑を耕運機で耕したのでその刃に当たって欠いたのか分かりません。それでもこの矢じりを見つけた事はとても嬉しかったです。子供の日に大きなプレゼントを頂いたような気がします。

下の写真… これが矢じりに光を当てた写真です。刃の薄い所は透けて見えます。この石はメノウだと思いますが、何処から持って来たものでしょうか。新潟県のヒスイ海岸からでしょうか。大昔でも日本中に道が張り巡らされ、特産物の交易が行われていたという事ですね。

今まで近所の農家の方々からこの辺の畑から石器や土器が出るという話を聞いていました。そんな事から私も畑仕事をする時は何かないかと気を付けていました。

下の写真… そして見つけていたのが下の石器です。今回の物より大きなものばかりです。左の方の石器は槍の穂先ではないかと思います。黒曜石のかけらも2つ見つけましたが、石器になってはいません。諏訪の和田峠の黒曜石がここにも来ていたという事です。また右の2つは包丁又はナイフではないかと思います。材料の石は泥岩ではないかと思います。

下の写真… その包丁と思われる石器です。下の長い辺が刃です。真ん中が少し凹んで刃先は丸くなっていてかなり使われていた感じがあります。手に持つと意外としっくりと持つ事が出来ます。

下の写真… 刃の部分を見た所です。真ん中が削れて丸くなっているのが良く分かります。どんな人がこれを使っていたのでしょうか。何を切ってどのような料理をしていたのでしょうか。いろいろとロマンを掻き立てられます。

実を言うと矢じりの発見から畑仕事がはかどらなくなってしまいました。気が付くと地面をジッと眺めていたり、土をほじくり返している自分がいます。そしてまた一つ矢じりと思われる物を見つけてしまいました。

下の写真… 先出のメノウの矢じりより約倍くらいの大きさです。小動物用の矢じりと思います。石は泥岩と思われます。そして先端は右でなく左です。石の刃の厚みが左は薄くなっています。

下の写真… 刃を横から撮った写真です。刃の厚みはノギスで計っていますが、石自体がボコボコしているので大まかな値です。

これを機に縄文の石器、土器について近くの考古博物館等で調べてみる積もりです。一説によると縄文時代は日本人のルーツであり心や文化の故郷であるということです。

ところで実を言うと裏山には黒曜石の破片が落ちている所が何箇所かあります。雨が降ると山道の土が削れ、光線にキラッと光る黒曜石が出てくるのです。という事はそういった辺りには縄文の集落があったという事です。そのロマンだけで散歩が一段と楽しくなってきます。ただ困るのは散歩に時間が掛かり、運動する意味が薄れてくる事です。これからの散歩は山野草の貴重な花を探したり、ハチ追いのハチを探したり、黒曜石を探したりもう大忙しになります。ただ夢中になり過ぎて熊さんに気付くのが遅れると命取りになります。そんなんで秋まで気の抜けない散歩が続きそうです。

2023年5月14日 記  カメラ Panasonic  GF10W

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タイに仕事で10数年滞在していました。日曜日はゴルフをしていましたが、ある時花の綺麗さとカラフルな鳥の美しさに気付いてしまいました。  それからはカメラをバッグに入れてゴルフです。あるゴルフ場では「写真撮りの日本人」で有名になってしまいました。(あ、ゴルフ場には迷惑をかけておりません。)それらの写真をメインに日本での写真も織り交ぜて見ていただければ幸いです。 また、異郷の地で日本を思いつつ自作した歌を風景の動画とともにご紹介していきたいと思っています。