地龍の剣 後書き

この一年と二か月に渡って「地龍の剣」の連載をご愛読して頂き大変ありがとうございました。連載開始は昨年2019年の7月7日で、その8~9か月くらい前から小説の舞台や筋書を考え始めました。江戸初期、旗本の少年が剣の上達を目指して苦労、努力をし、成長する姿を描こうと思うのですが、具体的に筆を下すのは難しい物が有りました。場面展開がスラスラと行くときもあれば、次の展開が浮かばず十日以上筆が止まる事もしょっちゅうでした。今は自分初めての小説が不充分ながら完成した事にホッとしております。

連載を終えて強く感ずるのは、佐伯泰秀先生始めプロの作家の先生方の構想力、知識力、表現力の凄さです。当然ですが自分がその域に達するのは到底出来そうにもありません。改めて作家の先生方に敬意を表したいと思います。

今、前に読んだ時代小説を再度読み始めましたが、自分が小説を書く前とは全く違う感性で読んでいる自分がいます。例えば江戸の町の記述がありますが、前は平面的な読みでしかなかったものが、今は鳥瞰図のような立体的な情景が浮かんできます。また、文章の表現の仕方や場面の展開の仕方などを、味わいながらというより勉強させていただいています。今までに家にある本(時代小説)をもう一度すべて読もうという楽しみが出て来ました。読み終わるのに何年かかるか分かりませんが。

ところで小説をもう一度書くのか、「地龍の剣」の続編を書くのか、今は自分の気持ちがはっきりしていません。燃え尽き症候群のようなものです。書くにはかなりの強い気持ちとエネルギーが必要です。無理には決めず、自分の気持ちが発酵してくるのを待ちます。何か日本酒を造る過程と似てなくもありませんね。

終りに、この拙い小説にお付合い頂いてありがとうございました。再度、感謝申し上げます。

西山 静山

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タイに仕事で10数年滞在していました。日曜日はゴルフをしていましたが、ある時花の綺麗さとカラフルな鳥の美しさに気付いてしまいました。  それからはカメラをバッグに入れてゴルフです。あるゴルフ場では「写真撮りの日本人」で有名になってしまいました。(あ、ゴルフ場には迷惑をかけておりません。)それらの写真をメインに日本での写真も織り交ぜて見ていただければ幸いです。 また、異郷の地で日本を思いつつ自作した歌を風景の動画とともにご紹介していきたいと思っています。