3月に入って暖かな日差しのある日には、山の道に蝶が見られるようになってきました。
下の写真… 落ち葉の中にいるテングチョウです。陽だまりの山道を歩いていると足元から茶色の小型の蝶が急に飛び立ちます。それを目で追って再度止まった時に写真を撮ります。もしテングチョウが飛び立たずにジッとしていたら、まず発見する事は不可能でしょう。忍者顔負けの忍法枯葉隠れの術ですね。
下の写真… 翅を開いたところですが、顔の部分が太く突き出ています。これを天狗の鼻に見立てて名前を付けたのでしょう。ところでこの蝶は何時生まれたのでしょうか。これは昨年の夏に蛹から成虫になったものです。そしてこの姿で越冬して春先に活動を始めたのです。越冬中は寒さをしのげる枝につかまってジッとしています。これも見つけるのはほぼ不可能です。
下の写真… これはテングチョウより一回り大きなヒオドシチョウです。これも上手な枯葉隠れの術を使います。見つけ方はテングチョウと同じです。
下の写真… 止まった時は上の写真のように翅を閉じています。これはこの場所が安全かどうか分からないために何かあったらすぐ飛び立てる態勢にしているためです。写真を撮ろうとして無造作に近寄るとパッと飛び立ってしまいます。こちらがゆっくりと近づき、蝶はしばらく観察して安全と分かると、徐々に翅を広げていきます。ところがこの蝶は翅がボロボロです。このヒオドシチョウもテングチョウと同じ成虫で越冬するのです。多分、昨年飛び過ぎて翅が傷んでしまったのでしょうね。もう少し頑張って世代をつなげて下さい。なおこの2種類の蝶の食草はエノキの木の葉です。
2021年3月11日 記 カメラ SONY RX100M6, WX350
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