カタクリの秘めた地下

時は速いもので4月中旬に咲き誇っていたカタクリも、2~3週間で枯れて地上から姿を消してしまいました。後は来年の春まで球根の姿でひっそりとお休みしています。

下の写真 1- カタクリの球根は深い所に眠っています。そこでどのくらいの深さなのか探ってみたいと思います。カタクリは8年ぐらいは花は咲かず、毎年1枚の葉を出して球根を徐々に太らせ3週間くらいで葉は枯れていきます。そこで6~7年のカタクリの枯れたものを掘っていく事にしました。球根に伸びている茎は細いので切らないよう慎重に掘って行きます。

下の写真 2- 10分くらいかかってやっと球根に到着です。長さを図るためそっと取り出します。

下の写真3- 球根上部から地上までの茎の長さは約30㎝です。

下の写真4- 細長い球根の長さは約6cmです。球根の下にはひげ根があります。球根は直径は6~7㎜位でしょうか。体積としては2㎤くらいでしょう。比較として5cmの球形のジャガイモの体積は65㎤です。カタクリは如何に小さな球根かという事が分かると思います。昔はこのカタクリの球根でカタクリ粉を作っていたわけです。カタクリ粉を作るのには大変な数のカタクリを掘るという作業が必要だったという事です。7~8年も掛かって成長したカタクリを大量に掘ってしまう訳で、今は群落のある場所は殆どありません。因みに現在売られている片栗粉はジャガイモから作られています。

そして掘っていて気付いた事があります。球根まで伸びている茎は糸の様に細くなって、葉は透けるくらいにうす平べったくなっています。瑞々しい時は2㎜くらいの茎が0.2㎜くらいになっているわけです。乾燥でそうなったと一概に断定できません。何故なら土の中は湿っていて乾燥しません。それにもかかわらず痩せてしまっている。私が独断で考えるに、茎や葉の養分を球根に回収したのではないかと思っています。1年で2~3週間しかでんぷんを製造できないのに、葉や茎を捨てていたのでは間尺に合わないのではないでしょうか。カタクリも小さく儚いながら、知恵を使って効率よく生き延びてきたのではないでしょうか。正に日本人に似合った花という気がします。

2024年5月20日 記  カメラ SONY  RX100M6

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タイに仕事で10数年滞在していました。日曜日はゴルフをしていましたが、ある時花の綺麗さとカラフルな鳥の美しさに気付いてしまいました。  それからはカメラをバッグに入れてゴルフです。あるゴルフ場では「写真撮りの日本人」で有名になってしまいました。(あ、ゴルフ場には迷惑をかけておりません。)それらの写真をメインに日本での写真も織り交ぜて見ていただければ幸いです。 また、異郷の地で日本を思いつつ自作した歌を風景の動画とともにご紹介していきたいと思っています。