タイの花の中で香りが最も良い花は？ と言われたら迷わず答える写真の花です。この花は白くて小さくて（1cm未満）、尚且つ葉の下で下向きに咲いているので全く目立ちません。花の名前は「ウオータージャスミン」といいます。庭の垣根などにも使われる低木です。
さてこの花に気付いたのはタイに来て9年ほど経ってからです。ある時足首を骨折して、そのリハビリのため会社の玄関前広場で歩く訓練をしていました。そのうちに良い香りがすることに気が付いたのです。香りはジャスミンの香りをもう少し優しく甘くした香りです。どの花だろうと見まわしますが小さな池にある睡蓮くらいしか花はありません。
それでもと思って睡蓮の花の香りを嗅ぎましたが香りはありません。そしてよくよく見ると１ｍくらいの木に小さな花がありました。こんな小さな花から香る訳がないと思いましたが、近くに行って鼻を近づけてみると正にその香りがするではありませんか。
それからは毎日その花のところへ行って香りを嗅ぐようになってしまいました。何度も嗅ぐと香りが薄くなるのです。そこで別の花房の香りを嗅ぎに行くと、又強く香りました。そして風が吹いている時は、その方向を見て風下で香りを楽しみました。でも花がない時も当然ありますよね。美味しい珈琲を飲み損ねたような気分でした。
上の写真で分かる様に花は層状に咲いています。大概の花はランダムに咲きますが、この花は列になって整然と咲いています。おもしろいですね。
当然、例のゴルフ場にもこの木がありまして、私がそこに行って香りを楽しんでいると、キャディーさんはニコニコしたり、良い香りでしょうといってその行動を分かってくれていました。
2017年3月15日 記
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