マナスルトレッキング6

マナスルトレッキング5 の続きです。11月9日、6日目です。この日はゴアからダラパニまで地図の赤線コースを歩きます。お昼頃にはダラパニ到着で、お昼を食べてジープでベシサハールに向かいます。ジープ道の地図は マナスルトレッキング1 を参照してください。

下の写真ー 朝6時半頃のゴアのロッジの風景です。ラムジュンヒマールの一角に朝日が当たっています。昨夜は何かのお祭りだったようで、画面正面の食堂で踊りをやっていました。食堂入口のイルミネーションがその余韻をまだ残しています。この後このお祭りのために思わぬ事態に陥ります。どんな事態かは後のお楽しみに。ところでネパールは伝統行事やお祭りが多く、年間で40以上あります。そのため一週間以上滞在しているとお祭りに1回くらいは遭遇します。観光立国のネパールでは山とお祭りが観光収入のための財産かと思います。

下の写真ー 上の写真のラムジュンヒマールを望遠で撮った写真です。雪の量から見て5000~6000m位の高さかと思います。

下の写真ー ゴアを8時に出発して1時間下山してきました。目の前にラムジュンヒマールが大きく見えてきます。画面左半分が上の写真の山の部分です。

下の写真ー 9時半頃にティルチェに到着でお茶休憩です。その時、厨房を写真撮らせてもらいました。食器がきれいに片づけられています。そして調理用のストーブが赤々と燃えています。居心地良さそうなキッチンですね。

下の写真ー お茶休憩を終えて部落の外れ付近に来ると、麦畑がありました。ネパールでは麦畑は珍しいのではないかと思います。ほとんどは田んぼです。どこか近隣の大きな町のパン屋さんが使うのでしょうか。

下の写真ー 下っていくと道幅が広くなりましたが、途中一か所崖崩れです。

下の写真ー 道は完全になくなり、画面中央の崖の細い踏み跡をたどっていきます。踏み跡ですので道は靴の幅しかありません。バランスを崩せば200m下の川まで落ちてしまいます。意外な緊張感を強いられます。

下の写真ー ようやく登山口のダラパニが見えるところまできました。画面正面奥の右の谷はアンナプルナ山群の周回ルートになります。反対の左の谷はジープで下ってベシサハールに行く谷になります。

下の写真ー 上の写真の位置からもう少し下ると一か所だけアンナプルナⅡ7937mが見えます。頂上は画面左の黒く尖った所です。画面中央の雪の三角山の頂上は7744mあります。

下の写真ー 道上の岸壁に一つだけヒマラヤオオミツバチの巣がありました。歩いている時はいつも岸壁にハチの巣があるか見ていたのですが、今回はこの一つしかありませんでした。でもハチがいません。ガイドさんに尋ねたら、冬近くになるとハチは引っ越しするそうです。多分暖かい所に行くのでしょう。そこにはもう一つの巣が有るのでしょうか。それとも初めから作るのでしょうか。そしてここも春になったらこの巣に戻って来るのでしょうか。ガイドさんも専門でないので分かりません。

下の写真ー この谷にかかる吊り橋で、渡り終えた時に撮った写真です。エベレスト街道ならこの両側に渡る人が大勢待っているのですが、このマナスル街道では閑古鳥が鳴いています。トレッカーにとっては静かな山行で嬉しい限りです。

ダラパニに11時に到着で、山での最後の昼食を食べました。メニューはラーメン、チャパティ、トマトスープです。美味しくいただきジープの駐車場まで5分ほど移動です。さあ、そこで問題が起きました。ジープが1台しか来ていないのです。来ているジープの運転手さんに聞くと、もう一人の運転手はお祭りで酒を飲んだので来れないという事です。来てもらっても酔っ払い運転であの地獄の水平車道を走ったら落ちてしまいます。別のジープないしは別の運転手がいないのか聞きましたが、それもお祭りの為出て来れないとの事です。ネパールらしいような気もしますが、それでもこれはないだろうという気もします。お祭りがこのような事態を引き起こすとは誰も思ってもいませんでした。

ガイドさんも途方に暮れていましたが、結局は運転手含めて総勢12人全員が1台のジープに乗っていくことにしました。本来は5人乗りですが。前3人、後部座席4人、荷物室3人、屋根の荷物の上に1人、車のサイドステップに立ち開けた窓にしがみつく人1人です。中の人は身動きできない窮屈。外の人は石ゴツゴツの激しい揺れに耐えて、4~5時間車にしがみついていなければなりません。最後の試練の時が来ました。2時にジープ出発です。

下の写真ー 走り出してしばらくしてガイドさんが、あの吊り橋は高さが世界一高い吊り橋だと説明してくれました。高さは不明です。

下のビデオー いよいよ来る時に通った地獄の水平車道(黒部の水平歩道の車版)に突入です。屋根の上のポーターさんは削った岩の天井にぶつかる恐れがあります。伏せているしかありません。サイドステップの人は助手席側で、その方向は崖側です。すくむような恐怖があります。いづれにしても通常の状態ではありません。ただ一つの救いはこの日はお祭りで道路工事がなく、そういった車両とのすれ違いがなかったことです。その地獄の水平車道を走っている様子を、助手席に座った三重県のC.Tさんがビデオ撮影してくれました。そのビデオをご覧下さい。なおバックミュージックはネパールでヒットした宗教の歌です。「オンマニペデフォン」と繰り返し歌っていますが、日本語で言えば「南無阿弥陀仏」と歌っていると思ってください。地獄の水平車道を走りながら「南無阿弥陀仏」のミュージック、中々のビデオ編集と思いますよ、C.Tさん。

下の写真ー ようやく滝のある休憩場所に到着です。皆さんホッとした顔で社外で休憩です。ところでヒマラヤで走っているジープは何処の車でしょう。これはインドのマヒンドラという自動車会社です。インドにはスズキ、タタ、マヒンドラなどの自動車会社があります。ネパールではインドから輸入し、乗用車ではスズキ、トラックではタタ、ジープではマヒンドラが圧倒的なシェアを誇っています。

下の写真ー 夕方5時にベシサハールのホテル「ゲートウエイ ヒマラヤリゾート」に到着です。意外と大きなホテルで、庭園、プール、別館のレストランなどがあります。そして一番嬉しかったのは、シャワーから熱いお湯が出たことです。トレッキング中はロッジに熱いお湯の出るシャワー設備はありません。ヒマラヤではこれがなんたって一番のご馳走です。

夜は窮屈な寝袋を使わず、布団付きのベッドでぐっすり眠ることが出来ました。次の日はトヨタのハイエースワゴンでゆったりとしてカトマンズに行き、夜の便に搭乗して帰国の途につきました。たくさんの思い出を胸にしまって・・・

以上、マナスルトレッキングのシリーズは終了です。皆様のご愛読ありがとうございました。

2019年1月14日 記  カメラ SONY  RX10Ⅳ

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タイに仕事で10数年滞在していました。日曜日はゴルフをしていましたが、ある時花の綺麗さとカラフルな鳥の美しさに気付いてしまいました。  それからはカメラをバッグに入れてゴルフです。あるゴルフ場では「写真撮りの日本人」で有名になってしまいました。(あ、ゴルフ場には迷惑をかけておりません。)それらの写真をメインに日本での写真も織り交ぜて見ていただければ幸いです。 また、異郷の地で日本を思いつつ自作した歌を風景の動画とともにご紹介していきたいと思っています。